少し前になりますが、アメリカのトランプ大統領がメキシコ国境からの不法移民流入に、メキシコが十分に対応していないとして6月10日以降、メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を毎月5%引き上げる可能性があると表明しました。しかし期限ぎりぎりになり、見送りの発表がされるという形でひとまずは落ち着きました…これから新NAFTA(USMCA)はどうなるのでしょうか!次から次へとトランプ大統領に振り回されているメキシコ、そこでメキシコで感じる事を少し書いてみようと思います。
メキシコはご存知の通り、安価な人件費を元にアメリカの製造拠点としてモノづくりをおこなっていますが、USMCAの動向、アメリカと中国の関税の問題などなど、企業ではサプライチェーンの見直しや、実際に流通ルートの変更、部品の調達地の変更を行う動きがみられます。
今回の関税の発動は2019年6月10日からとしていましたが、実際にはぎりぎりで見送りとなりました。ペソ=ドルの為替変動の影響もあり5%程度の税率についてはコスト吸収が可能な状態にはなりましたが、仮にこれから税率が上がっていくと、消費者へ価格転換は避けられそうにありません。つまり関税をかける事はアメリカでの物の価格の上昇につながってしまうのは誰が見ても明らかです。大統領選挙に向けてのパフォーマンスと言った声や関税反対派も多いので、実際には実行出来ないのではないかと言った意見もおおくありますが、予想をひっくり返してきたトランプ大統領です。今後の選挙戦でどのような形で関税と言うキーワードを使うか、何が起きても不思議ではありません。
では実際のメキシコ現地の声はどうでしょうか。「なんとも動けない!」もう、これが本音ではないでしょうか。企業は事業計画や方針に従って動いていますので、先が読めない中での動きは不可能です。為替、関税、物価上昇、労務、税務と色々と悩みの多いメキシコ、次々と問題が出てきます…日経平均株価にも影響を与える程の事です。引き続きメキシコとアメリカの関税には注目をしていく必要がありそうですね。
今回は思った事を簡単に書いてしまいましたが、今後、色々な話題を書いて行きたいと思います。
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