下記の規定①より、会社が従業員のために負担する商業保険は、個人所得税の課税対象になります。従って、会社は従業員本人への手当の一種として給与に加算し個人所得税を納税します。
ところで、会社が駐在員やその家族また現地採用職員のために中国国内の医療保険に加入するケースが昨今増えております。
理由としては、中国勤務のため当該コストを日本親会社ではなく中国子会社で負担するや従業員本人が日本に居ないため日本の海外保険の加入条件を満たさないなど様々だと思われます。
このような場合も、会社が従業員のために負担する商業保険に該当するため、個人所得税の課税対象になります。会社は従業員本人への手当の一種として給与に加算し個人所得税を納税します。
なお、下記の規定②③より、2017年7月1日から、従業員本人が規定に適合する商業健康保険を購入した場合、個人所得税の申告時に月額200元(年額2,400元)の控除を受けることができます。
また、会社が一律で従業員のために規定に適合する商業健康保険を購入する場合、各従業員の給与に加算し個人所得税を納税しますが、その際に従業員本人の購入と同様の扱いとして個人所得税の申告時に月額200元(年額2,400元)の控除を受けることができます。
会社が一部の従業員のために(例えば駐在員やその家族)商業健康保険を購入した場合は、規定に適合しないので、従業員本人の購入と同様の扱いとして個人所得税の申告時に月額200元(年額2,400元)の控除を受けることはできません。
個人所得税を会社負担としている場合は会社のコストが増加しますし、個人負担としている場合は個人の手取額にも影響が出ますので、商業保険をご購入の前に税法規定をご確認することを推奨いたします。
規定:
②『关于将商业健康保险个人所得税试点政策推广到全国范围实施的通知』(財税【2017】39号)
③『财政部 国家税务总局 保监会关于开展商业健康保险个人所得税政策试点工作的通知』(財税【2015】56号)